仲間の死を悼むチンパンジー

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同胞や家族の死を悼む心を持っているのは人間だけではない。

ゾウは死んだ仲間を墓場に連れていき、そこで花を供えるという行動を取ることがある。

クジラもまた同様に、命を落として海底に沈み行く仲間を何度も鼻先で押し返そうとする光景を目撃されている。

身近なところでは犬や猫も仲間の亡骸に寄り添うことがある。

愛する者を失った際の深い悲しみは、決して人間だけのものではないのだ。


西アフリカにある「サナガ・ヨン  チンパンジーレスキューセンター」には、密猟者によって親を殺されたチンパンジーの孤児が多く飼育されている。

イギリスのデイリーメールが報じたところによると、この施設で享年40歳で天寿を全うしたあるチンパンジーの死が、多くの仲間に悲しみを誘ったというのだ。

そのチンパンジーの名前はドロシー。

ドロシーはメスの老成個体であり、この施設の親を亡くしたチンパンジー達の母親のような存在であったという。

そんな彼女が老衰で息を引き取ると、飼育員は彼女の遺体を写真のように一輪車に乗せて丁重にシーツに包んだ。

埋葬するためである。

これを終始見つめていたのが、長年彼女に育てられてきたチンパンジー達である。

仲間であり、母親であったドロシーを食い入るように見つめている、彼らの悲しそうな表情は、なんだか見るに忍びない。

お互いの体に腕を当てて、互いに悲しみを慰めあうかのような彼ら。

これを見てしまうと、もうチンパンジーをただの動物とは思えなくなってしまいそうになる。

この施設に暮らしているチンパンジーは、密猟者によってペット目的の乱獲をされたものであるという。

子供を守るために密猟者に襲い掛かっていく母親は、射殺されることがほとんどなのだという。

悲しい経緯を経てここに落ち延びたチンパンジーにとっては、ドロシーこそが育ての親だったことは想像に難くない。


仲間や家族の死を悼む心は、人間だけじゃないんですね。

 

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